流行りの話題で記事を書いてみます。
ついに初飛行、国産飛行機復活と沸き立っていますが、このMRJが普及するには大きな壁があることはご存知でしょうか。
最大のライバルであるブラジルの航空機製造会社「エンブラエル」の小型ジェット機「E-Jet」に勝たないといけません。ボンバルディアもCRJというライバル機があります。
MRJは「従来機よりも燃費がいい」と言われていますが、比較されている従来機はこの2機種でしょう。なぜ普及に大きな壁があるのでしょうか。
簡単な話です。E-JetおよびCRJの飛行機を重点的に整備することができる整備士は世界中にいますが、MRJの整備ができる整備士はいません。これから育成しないといけないのです。日本であっても例外ではありません。
パイロットも同様です。E-JetやCRJの操縦資格を持ったパイロットは世界中にいますが、MRJのパイロットはまだいません。
世界中パイロット不足の時代です。よりシェアの高い旅客機の操縦資格を保有したいとパイロットは思っていることでしょう。こんな状況で新規参入すること自体ハードルが高いことと言えます。
(ボーイング等からMRJパイロットに転身もできますが、かなりの時間がかかります)
先行するE-JetはMRJと比べて文字通り桁違いの受注数があります。数千台単位です。MRJは400台くらいなのでなかなか厳しいです。
そしてE-Jetは後継機が開発されています。この機種がMRJ並の燃費となって、旧型の免許で操縦できる場合は圧倒的に有利になります。
従来型航空会社はMRJの導入を決めているところもあるようですが、LCCではおそらく採用する会社は現れないでしょう。もし同クラスの機材を導入するとしてもE-Jetを大量導入するはずです。
低コストで座席数90くらいの飛行機を大量導入した航空会社を経営しようと思ったら、あなたならどうしますか?MRJを選ぶかE-Jetを選ぶか(CRJを選ぶか)
ここまで読めば、MRJの成功確率が低いことくらいは誰でもわかります。
愛国心とか国産だからといった理由で選ぶと選んだ会社自体がなくなる可能性があるのでやめたほうが良いでしょう。(もっともANAやJALはもう買わされてるし、鈴与の航空会社はE-JetからMRJへの切り替えを検討しているとか)
それさえなければあとは航空会社の判断なのですが、先行者のエンブラエルが圧倒的優位なのは間違いなしなので、MRJが量産された後に期待ですね。ライバル機よりも圧倒的に性能が良くて価格が安ければ(←かなり重要)選ばれるはずですから。
最後に、価格はMRJが60億円弱、E-Jetが40億円くらいです。
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