2015年12月8日火曜日

人手不足は地方ほど深刻になり都市部でも深刻になる そして人手不足の状態はこれから50年以上続く そう言い切れる理由とは?

最近、人手不足が深刻化しています。
聞いた話によると、半年間求人を出しているが1人も求人の問い合わせすらない。という事例がありました。ちなみに時給780円でやることは正社員並みのようです。

そりゃ人はこないよなあと思うものの、これでも昔は良い条件でした。

このまま地方の人手不足は深刻化するのみなんでしょうか。
原因を調べてみると、かなり深刻な状況が浮かび上がってきました。




1つは労働人口減という大問題

少し調べてみると、
65で定年退職する人よりも22もしくは18で働き始める人のほうが圧倒的に少ない。

という状況が今後50年以上ずっと続くことがはっきりわかります。



総務省統計局による資料 我が国の人口ピラミッド(2014年10月1日現在)

2014年当時
64歳の人口が推定190万人くらい
21歳の人口は120万人くらい

です。


団塊の世代がこの数年で一気に退職して、代わりに働き始める若者は団塊の世代と比べても極端に少ないです。2012年から2014年の3年で約200~250万人ほどの労働者が減っていると考えられます。


また団塊の世代を過ぎてもしばらくは人口の多い世代が続きます。
「ひのえうま」で極端に少ない出生数の年もありますが、ひのえうま産まれよりも40歳若い人たちの人口はその人たちよりも少ないです。

今後20年は毎年およそ30~50万人ほど毎年労働者人口が減っていくことになります。



さらにその後団塊ジュニアがいます(大体今の30代後半~40代前半)
その世代の人口はやたら多いです。約180万人くらいいますね。

一方、団塊ジュニアよりも40歳くらい若い、最近産まれた子供たちですが…
2014年は100万人の出生数でした。
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO81505410R31C14A2CR8000/
この10年くらいは110万人を下回っています。



というわけで、団塊ジュニアが退職する頃にはまた毎年70万人くらい労働者人口が減ります
団塊ジュニア世代が定年退職する2040年ごろには、また労働者減少が深刻な問題になります。


それよりも後に産まれた、私のような昭和末期&平成一桁台になると年齢別人口が120万人くらいまで落ちますが、おそらく2030年前後産まれの出生数はこのまま減少していくと80万人台くらいでしょうから、平成生まれが定年退職する2050年代でもまだ労働者人口は年間数十万人単位で減り続けます。



これってすごく恐ろしいことだと思いませんか?

でも恐ろしいと思わない理由は1990年代~2000年代の急激な人余りにあります。


この時代の人余りというのは、定年退職するはずの人たちの大半が太平洋戦争で死んでしまったので極端に少なかったが、大量に存在する団塊ジュニア世代が就職するために大量の人たちがロクな職にありつけなかったためにあります。


でもこれからは違います。人が足らない状態がずっと続きます。



移民受け入れ推進派は多いですが、対象となるアジアの途上国も実は少子高齢化の真っただ中にあるという現実を知っている人は多くありません。途上国でも少子化なんだから、移民受け入れというのはこれからどんどん難しくなります。


だから少子化は大問題だと騒がれるのですが、日本だとそこまで極端に騒がれないのは、今急激に深刻な問題になっていないためでしょう。気づいたときは手遅れです。




なぜ今企業がギリギリ持ちこたえているかといえば、まだ65を超えても働いている団塊世代がいるからです。しかし団塊の世代が80を過ぎても働けるでしょうか?大半の人は働けないでしょう。

実際働いていたケースを知っていますが、結局使い物にならず雇われなくなりました。ちなみに任意保険なしで軽自動車を乗りまわしてました。あの人は今福祉施設にいるそうです。







もう一つ問題があります。
「若く優秀な人ほど全国各地の賃金を見比べて一番高い場所へ移動する傾向」
にあるということです。
都市部は地方の若者を吸い取ってなんとか持ちこたえますが、地方はヤバいです。


地方に残るのは
・今更身動きできない中高年(子持ち)
・地方で運よく良い職にありつけた人(公務員等)
・家業がある人やコネのある人
・マイルドヤンキー

のみとなります。
この人たちの母数が少ないのは明らかですから、地方ほど労働者がいなくなって大問題になります。その時代はもう来ています。まだ気づいてないだけです。



時給を上げようとしない企業は多いですが、同業他社じゃなくて東京のアルバイトの時給を比べてみて、東京並に時給を上げないとまずいでしょう。地方でも時給1500円を掲げられる企業がこれからは生き残ります。
時給693円で日本人を8時間拘束している企業は倒産するでしょう。

こういう店は危ない


おそらく、まずは宮崎県、高知県、鳥取県、青森県あたりの最貧県でそういう人手不足すぎてどうにもならない企業が発生するでしょう。


2020年には、バブル期並みに新卒獲得競争が起きててもおかしくないですね。バカなと言われる人もいるでしょうけども、実際労働者は少なくなる一方ですからね。



賢い人はこれから子供をたくさん産むようになるかもしれません。大学に行かせなくてもどこでも雇ってもらえる時代がまもなくやってくるからです。

だから、まもなく少子化は解決します。とは言えないのが現状ですが…(いくら子供を産みまくっても、出産適齢の20~30代前半の人口はたかが知れているので出生数の総数は伸びないし、仮に伸びたとして、効果が表れるのは2050年を過ぎてからです)

2 件のコメント:

  1. 2017年、世界中で「将来、AIがこの世のあらゆる職を剥奪するだろう」とさんざん騒がれました。
    日本ではこの通り、将来は労働力不足が確実ですから、心配無用とまでは言えませんが、良い具合に相殺されて欲しいです。
    特に、コンビニや飲食店その他諸々のレジでの接客業、大型自動車の運転は全てAIに取って替わっても問題ないどころか、救世主となるでしょう。

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