2025年5月10日土曜日

続 三菱・電動車両サポート値上げ後の充電カード取捨選択

 前回の記事で、電動車両サポートの料金改定にともなって辞めるみたいな結論に私は達していたんですが、ここにきて「やっぱり継続するかも」の気持ちになってきています。というか既に継続手続きは済ませました(変更はあとからできます)。なぜそうなるのでしょうか。簡単に考えていきます。



鍵を握るのは、77円/分のeMPビジター充電を強いられる環境かどうか

 

 電動車両サポートで使えるのはeMPの充電器です。ここの料金は大きく分けて2つです。速度が50kW以下なら55円/分(つまり50kW含む)、それよりも上なら77円/分です。77円/分の取り扱いが大きな問題になります。

 一般道なら充電選択肢は豊富なので(四国はそんなに豊富でもありませんが)、困ることもないでしょう。問題は高速道路です。高速道路の充電器はリニューアルされていますが、多くは90kW以上の性能があります。つまり高速の充電料金は77円/分です。地域によっては大半がその料金になっているはずです。

 一方電動車両サポートであれば、90kWや150kWの超高速充電器であっても44円/分(ベーシック)で充電できます。案外これって大きいのではと思っています。高速道路はそう簡単に降りられるものでもないからです。もっとも、容量の少ないアイミーブMで高速を何百キロも走る事自体が一般的でないと言われたらそのとおりではあるのですが、たとえば東京から河口湖とか、大阪から和歌山とか、名古屋から飯田あたりとか、そういう距離(~片道100km程度)の往復をするケースならアイミーブの利用者でもままありますよね。そういうときに複数口のある超高速充電器を回避しつつ移動するのは結構大変でストレスかかります。なのでカードがあると手っ取り早く、かつ元はすぐとれます。



 前回の記事で出した表です。1キロあたりの電気料金は電動車両サポートベーシックだと8.8円程度です(アイミーブM、10km/kWhと仮定)。一方で1分77円の場合、表の77円の部分を二倍にするので15.4円です。11km/L程度のガソリン車と同じ移動コストとなります。これを高速で払わされるのは結構辛いものがあります。

 愛媛に住んでいる私の場合は、香川方面へ行く場合の最初の充電器が豊浜SA(77円)、次が府中湖(77円)となっているので既に契約したほうが得な状況となっています。豊浜の次に岡山方面に行く場合は与島(55円)ですが、次が山陽道神戸方面だと吉備(77円)なので、結局77円の高速充電器に当たります。しかも吉備はミーブだと20kW制限がかかるクソ充電器です。それに77円はちょっと厳しいです。


 東京都心からアイミーブMで西へ向かうとしてみましょう。充電器があるのは港北、海老名、航続距離的には中井が限度かと思いますがすべてが77円対象です。鮎沢まで行けばなんとか55円になりますが、足柄、駿河湾沼津、清水、静岡と全て77円対象となります。掛川、浜松、長篠設楽原も77円対象ですね。岡崎は50が2基なので55円。刈谷は77円、長島、鈴鹿が55円ですが土山、草津、桂川が77円、東京から大阪までほぼほぼ77円/分の充電器にしか当たらないことになります。新東名じゃなくて東名ならどうなんだという説も検証すると、富士川は55円のがあり、ただし日本坂は77円、牧之原は55円、小笠が77円、浜名湖55円、美合77円となっています。旧東名でも高速タイプが増えています。

 とここまで77円/分の充電器が増えてしまうと、ちょっと遠出する機会があるって人なら利便性も考えると契約したほうが得かもと思わされてしまいます。それにしても私が東京から西へ向かったとき(2023年)と比べて随分増えましたね。


eMPビジター認証がめんどくさい(場所による)

 eMP充電の難点としては、各地で充電器の仕様がバラバラなことが挙げられます。あと古くて読めないとか、液晶を保護する透明のアクリル板みたいな物質が劣化して炎天下で読みづらいとか。そういうのがあるとビジター充電が面倒くさいです。しかも真夏の炎天下で読み取ってとかいうめんどくさい作業を強いられます。それよりは会員継続してピッとすればすぐ終わるカードを利用したほうが金はかかるもののスマートです。日産ZESP3のベーシックプランは電動車両サポートのベーシックと同じ月額料金ですが、99円/分です。とんでもなく高いですが、カードが使えるというただそれだけのために持っている人も日産EVオーナーにはいるかもしれません。

 それと比較すればマシです。まあ旧電動車両サポートと比較すると超高いんですけども…

 

 つまりのところ、充電カードの認証の楽さについては依然として大きな利点となり得ます。鉄道の自動改札で都度スマホを取り出してQRコード読み込んで割高料金で決済するのがビジターなら、SUICAやICOCAでピピッとやって通過できるのが電動車両サポートです。



とはいえ高いので他社のサービスも併用する

 他社サービスも利用することになりますが、eMPの充電カードがある状態であれば、必要なアプリはかなり限定されます。アプリを入れておいて損はない充電サービスをいくつか紹介します。


エコQ電… このサービスの特徴として、充電料金がお得な場合があることと、アプリさえ入れておけば比較的決済は容易だろうということです。1分あたり22円前後で50kWhの充電器もあるので、入れておいて損はないかと思います。大体の場合は55円/分であることが多いので、安いところを事前にgogogsやアプリで調査する必要があります(自宅やよくいく地点の経路上をよく探すことをおすすめします)。ちなみに私の家の近所には1分22円・50kWhのスポットがあったりします(それも複数)。家の近所だと使わないんですよね…。


エネチェンジ…アイミーブやEKクロスEVは3kWのため、電動車両サポートのプレミアム(1分33円)よりも安く充電が可能です(10分27.5円)。全国的にもスポットが多いのでアプリを入れて損はないです。10分単位の課金なのが注意点です。


テラチャージ…正直どうしても使わないといけないとき限定ではあるものの、導入する側のサービス導入コストがないという話なので、全国的には普通充電器が大量にあります。まず使わないですが。普通充電器の評判は…ですが、急速充電器に限れば話は別で、38.5円/分がベースとなっているので(44円/分もあります)、実は遠乗り時の急速充電という意味では役に立つサービスではあります。地元にも38.5円の急速充電器があります。

 普通充電器はピンキリですが、アプリでしか料金調査できない関係上、探すのが大変です。普通充電1時間200円ならテラチャージ内では安いですが、それより高い場所も普通にあります。ということで、普通充電だけなら入れる必要はないと考えがちですが、田舎でテラチャージしかないという状況に出くわす可能性が結構あるので、ないよりはあったほうがいいと言えます。


新・電動車両サポート利用者にとって必要性が低いサービス事業者


エネオスチャージプラス…電動車両サポートにさえ入っていなければ最優先で加入すべきサービスですし、入っていてもたまに割引キャンペーンがあるのでそのとき使えます。なので本来は入ってもいいです。が、通常料金は46.2円なので2.2円だけ高いという悲しい結果になっています。そして電動車両サポート加入者なら電動車両サポートの料金(44円)で使えます。


smart oasis…実は月額165円が必要です。そして使えるスポットが少ないので、まさにこのサービスを使わないといけない場合というのはそんなに多くないと思われます。ただこのサービスは使い方次第で年額が余裕で元取れる程度にはかなりお得な場合もあります。


DMM EV ON…都市部の人なら必要に迫られる場合があるかもしれませんが、田舎だと不要です。料金は急速充電は1分55円、普通充電はエネチェンジと同じなので、使える場所が少なくなったエネチェンジみたいなものです。


Myプラゴ…全国的にはニトリ限定です。四国にはたったの3つしかスポットがありません。そのためにアプリいれるのも…。関東だと急速充電器がありますが1分55円が相場のようです。一般EV乗りで関東在住なら選択肢の1つになる程度です。普通充電器は15分45円(3kW)なので、案外安いです。気になるのはホンダのディーラーがこのサービスでしか充電できないみたいで、EVにおけるホンダは決済事業者選択でも独自路線からの負け方向に進んでいるような気がしてならないです。



他にもカンモビとかWechargeとか山程ありますが、このあたりで止めておきます。アプリ入れるにしても3~4つくらいが限度かなと思いますが、みなさんはどう感じるでしょうか。実は現在確認できるだけで20ほどの事業者があり、それらすべてで独自のアプリ+クレカ情報入力からの決済が必要となっています(もしくは割高にされるか)。こんな惨状になっているのは日本ではEV充電決済のみで、もし本当にEVをガソリン車から置き換えたいのであれば、この惨状は速やかに改善されるべきだと思います。



 まだ項目を追加する気があるので、そのうち更新しますが、今回一旦公開します。

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