2025年4月21日月曜日

2025年4月のミニ統一地方選を見に行ったミニレポート

 2024年10月より、地方特に基礎自治体(市区町村レベル)の首長・議員の質について考えることがありました。そのためその頃から地元近くの選挙を(時間が足りない都合上)ポスターだけでも見に行っているのですが、2025年4月は地元の愛媛県内で大変多くの選挙が行われました。行けなかった分も含めて簡単に紹介します。行けた分からスタートです。時間かかるので簡易的にやっています(有料で選挙レポートを書いているプロの方もいますし、この記事ではあまり大したことは書きません)。



ここから紹介するのは全て4月20日投開票です。


愛媛県・伊予市長選


 現職の武智候補(68)がやや差をつけて勝ちました。対抗馬となる田中候補(44)は負けました。で始まります。実はこの構図、昨今いろんな地域の首町選挙で見られるもので、トレンド通りなら若い候補が勝つのですが、ここはそうなりませんでした。

 愛媛最大の都市・松山市の通勤圏にありながらも高齢の現職が勝てたのは、武智候補に地力があって強かったと言えるでしょう。他の選挙だときな臭い話が聞こえてきますが、ちょっと調べても全然きな臭さがなかった。そして、対抗の田中候補は「このひとならいい」という魅力を見いだせませんでした。つまり変える理由がなかったと言えます。

 そしてもう一つ、これは結構大きいと思うのですが、若い候補が勝つ場合、(正直この言い方は田中候補には酷な言い方になりますが)ルッキズム的な要素が強くなります。そこが弱かったのかなと思わざるを得ません。なにせ昨今の選挙は見栄え勝負となっている面があり、後ほど紹介する伊予市議選でも若い26歳女性が圧倒的得票率でトップ当選しています。また松前町、新居浜市、砥部町と若い首長が誕生した県内の選挙の若い首長はやっぱり見栄えがいいです。特に砥部町の古谷さんは近年稀に見る完璧さでした。

 さらに追い打ちをかけるというかあまりプラス面にならなかっただろう点は、親が南海放送の会長で地元で大変人気のアナウンサーなため、事実上の二世議員と思われてしまったのではないかということです。本人も特に隠していませんでした(公表もしていませんでした)が、本人が倫理法人会にも所属しているのに野党系統一候補で今年改選の永江孝子参院議員(南海放送元アナウンサー)に応援されていたりと、「民放」という隠れ地盤を持っていそうで、それが忌避されてしまった可能性は考えられます。そもそも南海放送がYoutubeでこの選挙(と四国中央市長選)だけ緊急特番開票特別番組をわざわざYoutubeで配信していて、それ自体なんらかの権力が動いたのでは?もしくは動かなくても忖度があったのでは?と感じる部分もなくはないです。私自身も南海放送関係出身の政治家があまりに多くて本人の能力関係なく嫌気がさしている部分もあります。ただ今回は本人関係なく親がそうというだけの話で、親は選べないので気の毒な面もあります。まあ私的には倫理法人会に所属しているというだけでなしですが。


伊予市議選




 4人が落ちる選挙となりましたが、だいぶ面白そうな顔ぶれが揃っていました。時期が時期なら演説聴きに行きたいと感じていましたが、私自身はその日のうちに飛行機に乗らないとならず(しかも高松から…)。時間がありませんでした。

 先ほど紹介した26歳女性である上田さやさんが圧倒的人気でトップ当選となりました。ルッキズム効果は議会選挙で効果てきめんですね。2024年10月の東温市議選でも浜田るかさんという若い女性が2位の倍の得票を得て勝てていましたし、いわゆる「スケベ票」は愛媛でかなり有効なようです。もちろんスケベ票が起点であったとしても女性を議会に送り込むことは重要ですし、当選してからが議員として重要です。議員はいくらでも仕事がありますがサボろうと思えばいくらでもサボれますから、仕事の中身が問われます。

 もう1つ、日本保守党でありながら無所属で出馬した森川けんじさんが当選してしまいました。日本保守党について私は存在自体を否定する立場です。

 当選しなかった人について、亀岡さんという候補が忌憚なく言うなら「女性の権利を声高に主張するおんな党の長であるじいさん」でありだいぶ「パチキレてる」候補者に感じました。当然ほぼほぼ票がとれずに下から2番目でした。こういう主張をする女性ならともかく、高齢の男性がやっているとその構図そのものに男性優位を強く感じます。その亀岡さんよりも票がとれなかった宇都宮さんは選挙ポスターが文字だけ、広報も普通で、「どれだけ票をとらない挑戦をしているのでは?」と感じる戦略でした。ただその意味でいうなら148票もとれてしまいましたが…。世の中には東京・千代田区長選で63票しかとれなかったヤバいやつ(残念なことに愛媛出身ですが)がいます。


香川県・丸亀市議選



 この選挙の注目点は「玉木雄一郎の選挙区の一部である丸亀市で国民民主党がどれだけ圧勝するのか?」ですが、実際に圧勝でした。

 気になっていた点としてはどこがどう落選するかですが、自民、立憲、共産の議員が1人ずつ落ちてしまいました。あまり良い傾向ではないと思いますが、これが2025年のトレンドなのかもしれません。

 「ラブ&ピース、なのだ」というポスターを貼っていた候補が最下位でした。広報を見る限りそんなにふざけてはない主張をしているとは思いますが、正直あまり良い候補とも思えませんでした。


 市長選も実施されましたが、無投票で現職再選でした。


東京都・瑞穂町議便乗選挙

初日の役場付近の駐車場でようやく3人のポスターを見つけた

初日の箱根ケ崎駅




 町長選もありましたが、無投票でした。「便乗選挙」は公式のもので、詳しくはググってください。しかし便乗したのに町長選が無投票になってしまっては…。

 たまたま東京に行ったのでわざわざ箱根ケ崎駅まで行ってきました。ポスターが初日ながら全然貼れていなくてどうなってんだと思っていましたが、結果的には一番貼れていた候補者が4番手となりました。当選したはまざきさんは役場の近くに事務所と軽トラの選挙カーがあって、もしかしたら一番精力的に活動できていたのかもしれませんし、単純に町長と名前が似ているから町長と勘違いして投票されたのかもしれません。もっとも、投票率が18%という惨状であり、町民あまり興味持ってないんだろうなという感じもありました。ポスター貼りしっかりしなくても当選できる事例ではあるものの、この選挙自体が特殊なため、当選を考えている人はポスター貼りに手を抜く戦略自体がNGと言えます。


埼玉県・秩父市長選



 よくわかりませんが、秩父行ってみるかというノリで西武秩父線に乗って秩父にやってきました。実は秩父線にははじめて乗りましたが、桜も咲いてて観光鉄道としては優秀でしたね。

 70代の自公系現職である北堀さんに40代の新人きよのさんが挑む構図で、この構図だと最近のトレンドでは40代が勝つと相場が決まっていますが、実際に勝ちました。ただ個人的には清野さんにはO元議員、かすり傷で有名なM氏と関わりがあることに対して疑問符がつきます。秩父の方できよのさん応援の人が読んでいたと仮定して書きますが、勝ったからと安心せず、権力の監視をしていくことが重要です。


愛媛県・久万高原町議選




 この選挙最大の焦点は「当時84歳で運転中に居眠りして人身事故を起こし執行猶予付きの有罪が出て、議会から2度も辞職勧告されて可決しているのに辞めないどころか出馬までした議長」が当選するかどうかです。

 交通事故を起こしたことを理由に辞職すべきかですが、最大限擁護するポジションに立っても「辞めてから挑戦してほしかった」「理由はどうあれ辞職勧告決議が2回も通った以上、民主主義の手続き的には辞職するのが普通ではないか」と思うんですが、久万高原の議長は全無視&出馬の選択肢をとりました。事故を起こしたことよりもその後の行動が最も晩節を汚していると私自身は感じています。

 結果は玉井議長が当選でした。落選した人は1人が76歳の方、そしてあと2人は35歳、45歳と久万高原町内ならあと20年は若手と言われる人たちです。

 議長だけではありません。別に年齢だけで判断するつもりはないですが、議長は残留するわ議会の過半数が70代以上で新人も通らないわとなると、だいぶ風通しが悪い自治体だなと感じます。県内でも過疎が進んでいる地域でありますが、この議会の状況を見るに移住をあまりおすすめできないです。星空はきれいなんですけどね。



内子町議選



 内子町も久万高原町と似た状況で、高齢議員が多くいますが、女性議員・候補者0、来年には65歳未満の議員が2人しかいなくなる(64歳の議員が2人いて、それ以外の議員は全員65歳以上)という点では久万高原より事態が深刻です。観光で有名な町ですが…。

 共産党の現職が落ちてしまいました。結構残念です。


四国中央市長選




 一番気になっていたのに最も後回しになった選挙でした。構図を見て「これたぶん三島と川之江の争いの可能性がある」と感じていましたが、その通りでした。三島からの候補者が3人、川之江からの候補者が1人、旧伊予三島市と旧川之江市の人口はほぼ同じ、ということもあり1本化された川之江の候補者である大西けんじさんが勝ちました。




行けなかった分


高知・田野町長選

 新人と3期目を目指す現職の一騎打ちとなり、新人が勝ちました。


https://www3.nhk.or.jp/lnews/kochi/20250420/8010023355.html


高知・四万十市長選

 現職が引退し、新人3人の三つ巴の戦いとなりましたが、前知事で現衆院議員の尾崎さんの秘書を務めていた山下元一郎さんが勝利しました。


https://newsdig.tbs.co.jp/articles/kutv/1866832



最後に

 変な言動を行ったり暴れまわっている政治家を昨今たまに目にしますが、その人達は最もハードルの低い市区町村議選で当選するところがスタートラインになっていたり、現在その立ち位置にいることがほとんどです。安芸高田市や兵庫県など首長選挙が起点になることも稀にありますが、ほとんどは議員選挙で議員になるのが政治家人生のスタートです。「反社会的カルト集団」と言われる政治団体も地方で多くの議員を当選させています。国政選挙ばかりが注目されますが、最近では市区町村議会選挙が最も重要な選挙だと思っています。みなさんもお住まいや近隣の議会選挙をおろそかにしないでください。


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