2020年11月6日金曜日

Pixel4a5Gを購入 天体撮影モードのレビューと他機種との比較など

 Googleが2020年10月に発表し、日本でのみ先行発売された(海外では11月発売)Pixel4a(5G)を購入しました。


天体撮影モードで撮影した天の川です。



10月下旬に、itmediaというニュースサイトがPixel5の天体撮影モードについての記事を出していまして、それ読んだ方も多いかと思います。


「Pixel 5」の天体撮影はPixel 4から進化したか 満天の星空で比較 (1/2)

https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2010/23/news140.html

 

私自身も同じような記事を書こうと買ったときに思っていて、天体撮影モードを使って半月以上かけて撮影してみましたので、他機種の比較も含めて紹介したいと思います。

今回2箇所で撮影していますが、まず1つ目は「愛媛県の自宅近辺」です。東京都心ほどの光害はありませんが、それなりの光害はあります。ただ南天に限れば都市部よりは暗いです(四国山地があるため、南側に光害となる場所がない)。特に22時をすぎると暗くなります。北や西は24時間そこまで暗くなりません。

もうひとつが「愛媛県久万高原町・大川嶺」という天体観測には最適な山の上にある場所です。天の川は肉眼で見えます。アンドロメダ銀河も肉眼で見えます。さんかく座銀河は肉眼無理でしたが、3倍の双眼鏡でいけました。欠点としては、松山の街の光が肉眼で確認できるくらいなので、北側は明るいです。高知市内の光も見えますので、東側も光害の影響があるかもしれません。ただ、日本でも屈指の暗黒地帯であることは言うまでもありません。

という風に、両極端な場所での撮影となります。

(※ ブログに画像をアップする過程で、元画像よりも画質が劣化する可能性があります。ご了承ください)



超広角での天体撮影モードを待ち望んでいた、しかし…

Pixel4a5G、発表当日に予約をして発売日に届きました。その後ウキウキで自宅撮影を繰り返していました。

4/4xl/4aと比べて何が変わったかといえば、超広角レンズの搭載です。天体撮影で超広角はとても便利です。特に縦構図であれば天の川が地平線からアルタイル・ベガを通り越してデネブまでいけるかもしれません。

4/4xlは27mm/52mmの2眼なのに対し、4aは27mmの単眼、4a5G/5は16mm/27mmの2眼となっています。

4a5gでの超広角レンズで撮影を繰り返していましたが、結論から言うと超広角レンズはいまいちです。itmediaの記事でもノイズが指摘されていますが、私の4a5Gでもノイズが出てきました。

特に、光害地ではなく真っ暗な場所でのノイズが顕著です。光害地ではそこまでノイズが出ていないので驚きました。なぜこういうことになるのでしょうか?詳細設定を確認してみます。

超広角での天体撮影モード 夏の大三角が写っている、しかし…ノイズが多い

広角での天体撮影モード こちらは普通に見れる写真となっている


ISO上げすぎ?

超広角で撮影後設定を見てみると、大川嶺で撮影した分のISOは「1368」と書かれています。自宅で撮影した分は「400~600」が多いので、暗い場所では感度をものすごく上げているのがわかります。

超広角のノイズがひどい画像をよく見てみると、ISO1368と書かれている

超広角、家で撮った画像はISO491とかなり抑えられている

確かにノイズはほぼ感じられない



itmediaの記事では「1000まで上がってしまっており」と書かれていましたが、私の環境だとさらに上がっていました。

超広角レンズでここまでISOが上がってしまうと、ノイズだらけで使い物になりません。ISOを上げることによるノイズはあとから編集で除去しようとしても困難です。そもそもあとから編集するくらいなら一眼を使います。

ですので、Pixel4a5Gの超広角レンズを使っての真っ暗な場所の利用は諦めることにします。



ある程度光のある場所であれば、逆に使えるとは思いますが、今度はセンサーの貧弱さが問題となってきます。広角27mmと比べると超広角は明らかに画質が劣ります。もちろん、普通のスマホと比べると段違いに星が写ります。しかし、撮影に4分を要することが問題となります。



一眼との比較になって申し訳ないと思ってはしまうのですが、正直な話、この程度星を写したいのであれば、今売られている(※sd quattroを除く)一眼ならどんなに安いものでもISO1600~3200の10秒露出で同程度の写真は撮れてしまうのです。特に超広角レンズを使う場合、赤道儀がなく固定撮影でも10秒なら星が点像になります。コンパクトデジカメでもマニュアル撮影で同じ設定をすればPixelよりも良い星の写真が撮れるかもしれません。

撮影に詳しくない人にはPixelの天体撮影モードは良い機能かもしれませんが、少しでも知識のある人からすると、物足りなさを感じてしまうのは間違いありません。

もちろん、ただのスマホが一眼と比較されること自体は驚愕すべきですが、Pixelのスマホとしてのハードスペックが他社製スマホと比べても見劣りすることが、天体撮影モードでは問題になってしまっている感じはします。

Pixel4a5Gの超広角レンズは、他にもコマ収差のようなものが見られるという欠点はありますが、スマホカメラで天体撮影してコマ収差にまで文句をつけるなんてさすがにやりすぎです。天文沼に浸からない限り問題になりません。








Lee フィルターNo.3を買う

ところで、私の天体撮影モードにはフィルターをつけて撮影しています。ソフトフィルターです。

星の撮影、特に標準~超広角での撮影において、必須とも言えるソフトフィルターですが、一般的には馴染みの薄いものです。星の撮影をして初めて存在に気づき、必須であることからみんな買って使います。

Pixelの天体撮影モードで星が輝いていない画像が多いため、Pixelでもどうにかしてソフトフィルター使えないかな?とは撮影してすぐ思うようになってきました。

そこで、3,500円で切り貼りできるものが売られていましたので買って使うことにしました。(これを買う多くの人はSamyangの超広角レンズ向けに切り貼りして工作をする人が多いようです。今回の利用法もそれと似たようなものです)

フィルターをむりやり貼り付ける


撮影結果を見てみると、超広角では効果があると感じていますが、超広角の光害地ではISOがもっと上がってノイズがより酷くなる可能性があります(断言はできません)。広角ではどうだろう?ないよりはあったほうがいいという結果だと思います。いずれにしてもよくわからないです。ないほうがいいのかなぁ…?


広角 フィルター未使用

広角 フィルター使用後

超広角 フィルター未使用

超広角 フィルター使用後



LeeのフィルターはNo.1が最も効果が弱く、No.5が最も効果が強いもので、No.3は標準的です。

Pixelにおいて、No.3では効果が弱いかもしれないので、思いきってNo.5を買うほうが結果がよくなるかもしれませんね。







一番重要なのは環境?


実は私はPixel2を持っていまして、そちらでも天体撮影モードが(非公式ながら)使えます。

Pixel2は3/3xl/3a/3axl/4/4xl/4a/4a5G/5とは違って4枚撮影の比較明合成となっています。

撮影時間も1分と、他と比較すると1/4です。


2020年10月上旬に四国カルスト・天狗高原で撮影したPixel2の画像もあります。

四国カルストよりも良い条件で撮影できる場所は日本を探してもほとんどありませんし、この日は雲ひとつなく遠くまで見渡せて風もない、最高の気象条件でもありました。



天の川中心部


アルタイルとベガ

2でもここまで撮れます。凄いですね。

天体撮影において、環境はものすごく大事です。最高の環境という条件であれば、Pixel2でも天の川の撮影はできます。



最も気軽に星が撮れる、ペンタックスの一眼レフと比べてみる

Pixelを除いて最も気軽に星を撮れるシステムは、ペンタックスの一眼レフにある「アストロトレーサー」機能です。

三脚とカメラとO-GPS1というGPSシステムをカメラに取り付ければ簡単に撮影ができます。KPというエントリーモデルがボディが8万円前後です。

ボディだけでなくレンズセットが11万円ほどなのですが、ボディだけ買って3万円で好きなレンズを買う方法があります。シグマの17-50mm・F2.8というレンズが使いやすくてよさそうです。



O-GPS1というGPSシステムが1.7万円ほどなので、13万円ほどで撮影環境が整います。

決して安いとはいえませんが、一度買えば長く使えるはずなのでPixelよりもお得感はあります。(そもそも安さにこだわるのであれば、中古をおすすめします。ただし、K-30,50,70,K-S1,K-S2は初心者におすすめしません。)

私の場合は、2020末に新型が出るという話を聞いたので、K-S2という型落ちを安く買いまして、新型までつなごうかなと思っていました。(※余談ですが、新型(K-3III)の仕様が星撮りには優しくない仕様が判明、しかも20万円台後半という高額になってしまったため(こんなに高い上に星を撮るのに優しくないので、新型はどんな値段であっても買えません。K-S2を買ったことを若干後悔しています。KPにしておけばよかった…)




ペンタックスでどういった写真が撮れるのでしょうか。レンズは18-135mm(換算28-200mm),F3.5-5.6のキットレンズです。それで撮影した天の川の画像があります。プロソフトンAというソフトフィルターを使っています。

編集後の画像ももちろんありますが、今回は撮って出しのみをアップします。

天の川中心部 K-S2,18mm,F3.5,150s,ISO3200 プロソフトンA

夏の大三角 K-S2,18mm,F3.5,90s,ISO3200 プロソフトンA
※天頂付近を撮影したため、右側が北となっていますご了承ください

北天の天の川・カシオペアとアンドロメダ銀河
K-S2,18mm,F3.5,150s,ISO3200 プロソフトンA

ここまで3枚は2020年10月6日、18~19時台に撮影しています。

Pixelはたしかに気軽ですが、実はペンタックスの一眼レフであれば、このような写真を撮ることが可能です。赤道儀のような面倒くさいシステムを使わなくてよいのです。(※ただし赤道儀にしろアストロトレーサーにしろPixelにしろ、場所を選びます。光の多い場所で満点の天の川を撮って出しは難しいですので、田舎に行くことをおすすめします)

そして完全初心者には向きません。F値、ISO、シャッタースピードの概念を学ぶ必要があります。まぁ極端な話、アストロトレーサーモード(バルブ)に設定したあと、マニュアルフォーカスにしたあとピントを合わせて、キャリブレーションをして、ISOを3200に(KPはISO6400や12800でも許容範囲だと思います)、F値は一番低い数字にして夏は真南の南斗六星という星めがけて、冬はオリオン座をめがけて、暗い場所であれば1分に設定すれば案外すごい画像が撮れるのですが…。はっきり言ってPixelがショボすぎると思えるレベルです。

2020年3月21日19時台撮影 西の空に広がる冬の星座
K-S2,18mm,F3.5,180s,ISO3200

2020年3月21日19時台撮影 オリオン大星雲と3連星、火炎星雲
K-S2,135mm,F5.6,90s,ISO6400

本格的に撮っている人から見ると、このクオリティはそこまで高いものではありません。特に2枚目は私がみても「もう少しうまく撮れるだろうなぁ」です。でも楽しむために撮る場合、こんなに撮れたら充分です。費用対効果は明らかに一眼が上ですね。気軽に星を撮りたい…という方は、一眼を選択するのもありだと思いますし、その後のステップアップも苦労しません。何せ、レンズを交換すればもっといい写真が撮れるわけですから。レンズ沼があなたをお待ちしています



最初の2枚のRAWを現像するとこうなります。無料のソフトだけしか使っていないので、もうちょっと良い写真にすることもできるんじゃないかと思いますが、私には技術がありません。




ただし、Pixelにも利点はあります。「星景写真」と呼ばれるものです。こちらではPixelのほうが利便性は良いです。比較明合成を自動でやってくれて、星の位置も合わせてくれるのですから。ペンタックスの一眼の撮影でも似たようなことはできるといえばできますが。


Pixel4a5Gで、石鎚山とペルセウス座の星景写真






他にも、軽さは三脚を含めてもPixelのほうが圧倒的に軽いですから、持ち運びはPixelのほうが良いと思います。


ここまで書くとペンタックスの提灯記事かと思われそうなので欠点を書いておきますが、この会社に将来性がありませんし、シグマやタムロンといった他社製レンズメーカーもペンタックス向けは撤退しています。星以外の普段遣いにも思う方には、ここのカメラをおすすめするのはなかなか難しいです。

ペンタックス以外で星を撮る場合、赤道儀が必要になります。赤道儀がとてもハードル高いものと思われそうですが、アストロトレーサーよりは気軽でないというだけで、軽いものも多いですし、評判悪いものも多いですが、適切なものを選んで慣れればいいとも言えます。そしてガチ勢になったらほぼ赤道儀しか使わなくなるはずです。こうなった場合にカメラがペンタックスだと非常にやりづらい。

アストロトレーサーには露出時間に限界がありますし、たくさん撮って合成するのには不向きです。赤道儀よりも優秀だと思えることもある一方で、赤道儀じゃないと無理だなと思わされるシーンはたくさんあります。下手な赤道儀よりはアストロトレーサーのほうが有利かと思いますが、赤道儀には敵いません。

赤い星雲を赤く撮りたいなら富士フイルムのミラーレスでもできますし、レンズの豊富さでいけばソニーのミラーレスが全シーンで使いやすいです。ソニーと比べてはいけないレベルでペンタックスのオートフォーカスの評価が低いですし、私もそう思います。










今後Pixelに望みたいこと

実は天体撮影モードを作ったと思われる人は、Googleをやめました。Adobeにいます。残念です。


Pixelカメラを牽引したMarc Levoy氏がGoogleを退職

https://japanese.engadget.com/pixel-camera-marc-levoy-093539506.html


ということは…今後の改善は望めない可能性が高いのでは?ということです。

実際に、超広角での天体撮影モードを見る限り、Googleは超広角レンズ向けに調整をしていないんだろうな感じざるを得ませんでした。

天体撮影モードにこだわるのであれば、4a/4a5G/5よりも4/4XLのほうが良いかもしれません。

4/4XLには換算52mmの中望遠レンズがついていますが、天体撮影モードを使ってみてなぜこの画角のレンズがついているのか納得しました。もし4/4xlを持っている方がいるなら、標準画角を使って頑張ってオリオン座をめがけて撮影してみてください。すごくきれいに撮れると思います。スバルとアルデバラン、ふたご座、ぎょしゃ座、ペルセウス座などを撮影するにもこの画角はぴったりです。実はこの換算52mm、星座を1枚に大きく撮るのには最適なのです。中望遠レンズなので、超広角レンズよりも低コストで高画質にできます。

しかし、ただのカメラとして見る場合、天体撮影モードを活用する人なんて全体の中ではかなりの少数派です。昼間に普通の写真を撮る場合、超広角レンズできれいに撮れてしまいます。

私はPixel4a5Gの画作りがあまり好みではありませんが、普通に撮影するにはPixel4a5Gは素晴らしいと思います。そして、画角についても換算16mmの超広角と換算52mmの中望遠、どちらを選ぶかと言われたら断然換算16mmをおすすめします。普段遣いではこちらのほうが明らかに便利だからです。(※そもそも、16mmも27mmも52mmも全部入れたらいいのだと思いますし、最近では全部入りスマホが低価格帯にも増えてきています)

バッテリーの持ちも4a5G/5のほうが明らかに有利です。氷点下で天体撮影モードを2時間弱続けていても、バッテリーは30%しか減りませんでした。驚異的ですね。


Pixelの天体撮影モードは唯一無二のものですので、Googleの中の人が見ていたら、ぜひとも見捨てないで改良を続けてほしいです。

私的にどんな改良をしてほしいかですが、比較明合成の枚数、ISO、F値、シャッタースピードをマニュアルに変更できる高度な機能モードが欲しいです。これがあればあんまり悩まなくて済みます。


最後に、Pixel4a(5G)とPixel5はGoogleストアから購入可能です。ソフトバンクからも買えますが、Googleストアのほうがお買い得です。

https://store.google.com/jp/product/pixel_4a_5g



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