三菱・電動車両サポートが2025年6月から値上げされました。実際にどんな電気代になったのかのレポートです。私が乗っているのはアイミーブM型・2017年式となります。
6月編
毎年この時期になると冷房が必須となり、また今年は6月の中旬から超暑いという最悪なことになり、特に街乗りのちょい乗りともなると7km/kWhにもなる過酷な条件となりました。ただし、長距離だと9~10km/kWh程度の電費になるので、6月トータルの走行距離は1069.4km、106.6kWh充電するということで10km/kWh超えになりました。
kWhあたり費用は、電動車両サポート代込で5.12円/kWhでした。これはガソリン車(リッター170円)だと大体33.3km/L程度の車に相当します。
7月編
7月になると暑くて暑くて電費が悪くなります。9km/kWhという結果になってしまいました。街乗りだと6.5km/kWhを叩き出すこともあります。もっとも、大容量大重量EVだと遠乗りをしても5km/kWh程度になることも珍しくないはずなので、これでもだいぶよいです。
財田の道の駅では、従量課金・クレカ前払いのグリーンチャージというシステムを利用しました。従量課金だとeMPの低速の単価(150~240円/kWh)と比較すると安くなりますので、最悪ではない選択肢と言えます。
633美の里にある40Aながら15分275円の充電器(エコQ電)を使おうとしたら認証がさっぱりできず、しょうがないのでeMPで認証した結果、1kWhあたり240円程度という最高額を達成しました。ガソリン1Lを大体500~600円で入れた形となります。極悪です。
kWhあたりの費用は6月とそう変わらず5.14円/kWhでした。西条市にある無料充電器を比較的利用するので、それが使えると単価が下がります。自宅で充電しても大差ないんで別に使わないという手もあるんですが。
8月編
この月は月末に高速をたくさん走った影響で、電費が悪くなりました。また充電器の出力制限みたいなのにも遭遇し、想定よりも充電代が高くなったケースもあります。カタログ値だけで判断せず、実地でどういう具合に充電できたかのデータを積み重ねるのが大事ですね。
それでもここまで低い費用に抑えられたのは、イオンの充電器、FLASH、電動車両サポートの44円/分・50kWのおかげかなと思います。これらがなければキロあたり8円とか9円になってもおかしくありませんでした。高速によく乗る人は今の単価でも電動車両サポートを契約して損はないと思います。
1kmあたり6.06円となりましたが、これは28km/L程度のガソリン車と同じ電費です。
ここから先は実運用の感想です。
自宅が強い
自宅で充電できる人は自宅でしましょうというのが理解できます。うちは全国の電力会社の中で2番目に電力が余っているとされる四国電力なので他より安いかもしれません。でんかeプランのエコキュート割が効いて32.09円/kWhです(平日23~9時までと休日のみ、平日9~23時は+10.5円)。
料金単価は32.09円/kWh、そこから燃料調整で割引もしくは割増されます。6月は-6.22円、7月は-6.62円、8月は-8.95円なので、それぞれ25.87円、25.47円、23.14円となります。
正確な数字は出せないものの、自宅充電だけの場合のkWh単価は6月・2.58円/kWh、でした。6月の単価はスーパーカブに匹敵する66km/Lレベルです。EVの魅力はまさにここにありますが、外の充電が高くめんどくさくなったことで、使い方次第で燃費が良いガソリン車レベルまでランニングコストが上がってしまっています。
四国地方+広島民にとってありがたい存在のフジ
フジというのは宇和島で創業、ちょっと前までは松山に、現在は広島に本社を置くローカルスーパーです。イオングループになりました。そのスーパーの中には急速充電器が置いてある店「も」ありますし、レアですが普通充電無料のところもあります(エネチェンジに置き換えが進んでいます)。
急速充電器はほとんどの場合で30kW機種(60A)です。料金は、200円/10分、その後5分おきに75円追加されていきます。この充電器のついたフジが四国には結構多くの場所にあり、アイミーブ下道長距離移動の助けになります。大体20分充電すれば350円で55%程度充電してくれます。kWh単価は60~70円前後、割安です。安いとはいえ充電速度は結構遅いので、大容量の車両はフジの急速充電器をあまり利用していなくて、よく空いている印象もあります。無料普通充電器は争奪戦です。
懸念といえば、一部機種で60A公称なのに40A~50Aしか出ていないものがあったこと、真夏だとミーブ側の冷却不足で50Aまで制限がかかる場合があることで、その場合の単価は100円/kWhを超えます。
70円/kWhで充電できる場所があるだけで四国内の移動はだいぶ低コストになりますが、問題点があるとするなら高速ではeMPくらいしか使えないこと、四国中央市から先は香川だとさぬき市、徳島だとなんと阿南まで行かないと存在しないことでしょうか。香川・徳島方面の移動が高コストという課題を残しました。
エネチェンジがお得
10分で27.5円のエネチェンジもkWh単価が安く外では有用と言えます。中でも挙動で良いと感じた点が1つあります。アイ・ミーブは特定の%ごとに充電しなくなる時間帯があるのですが、その時間帯では充電していると判定されないみたいです。ただし、90%を過ぎるとセルバランスの関係なのか充電速度が遅くなって割高になるので、100%まで充電する必要はないかなという意見です。個人的には10分おき課金はちょっと使いづらいんで、5分おきになればいいかなと思います。
フジ北浜店(八幡浜市)のエネチェンジ、フェリー乗り場から数キロも離れておらず、商業施設内かつ屋内なので夏場はありがたい存在です。なお、60Aの急速充電器は故障中(8月上旬現在)。なんだかんだで標準的な選択肢となるeMP(50kW/125A)
アイミーブM型で44円/分なので割高かと思いきや、kWh単価は90円前後で案外普通です。ただ90円が普通扱いになるのは微妙です。選択肢がないときの標準的選択肢という形となります。しかもパッシブ空冷のアイミーブMだと夏場は熱ダレして充電速度がすぐ落ちるので、125A機種との相性は夏場だと最悪です。パッシブ空冷のリーフも同様でしょう。従量課金が130円/kWhになるとeMP低速機種も充電料金的には使いやすくなるかもしれません(料金単価的には微妙)。
ただ高速道路だとeMP以外の選択肢が事実上存在しません。なので電動車両サポートは切れませんね。ビジターだと77円/分のところで44円/分になるのは大きいです。よりによって私の場合の最寄り豊浜、その次の府中湖がビジター77円/分設定されている充電器なのでeMP認証は切れません。
低単価のFLASH
超安くて早いと噂のFLASHを体験してきましたが、1回目の佐川での充電では充電後に充電ソケット接続されたまま表示になってしまいました(別の場所でソケット差し込んで解決)。ということもあり、料金単価に感動したあとの不具合に遭遇し、不安定というイメージが私の中についてしまったFLASHです。料金単価44円/kWh(実際は熱損失の分だけ、つまり1割増しくらいにはなる)は家充電とそう大して変わらないのですごく良いのですが…。2回目の宇和での充電では何もトラブル起きませんでした。まあこっちが普通かなと思います。
クレカ決済は良い仕組みだとは思いつつ、料金確定後の後払いっていうのが結構曲者な気がします。というのも、別の場所で体験したグリーンチャージという仕組みのところだと先払いでクレカ払いできちゃったからです(ただしkWhあたり110円なのでかなり高い)。後払いは放置車両対策なのかもしれませんが、3分経過で超過っていうのもだいぶせからしいので3分より少しだけ長いほうがいいかもしれません。3分というのは大都会に住む20~40代くらいのテクノロジーに精通した男性を想定しているような印象で、四国の田舎に住むおっさんおばさんがこれをテキパキできるかと言われると難しいんじゃないかなと思っています。まあそういう人は一生EV乗らないって考えもありますが。
ここまで書き連ねたものの、単価としては52円/kWh程度(熱損失込でカタログ値44円/kWhより数割程度高くなる)と圧倒的なので広く支持される充電器であることは間違いありません。
佐川の道の駅(高知県佐川町)。FLASHで充電後、ソケット接続されたままみたいな状態になりました。別の場所でソケットを差し込むことで表示は消えました。もしかしたら抜く際になんかまずいことになったのかもしれませんが、幸いEV本体にダメージはありませんでした。真夏は急速充電が使い物にならない場合もあるイオンモール
7月にイオンモール高松、イオンモール綾川に行くと「夏場はエラーが出やすいので壊れてなくても閉鎖します」という悲しいお知らせが。1回300円で30分充電できるので良い場所なはずなのですが、夏場は使い物にならないことがわかりました。エネオスの充電器に置き換わってるところだと普通に使えたのでいいのですが。
普通充電120円/60分、WAON決済対応というのは普通充電だとエネチェンジの3/4くらいの値段なので、便利だとは思います。ただここは1時間単位の課金なので、使いやすそうで使いづらいという。
さっきも紹介したイオンモールの充電器ですが、エネオスのに代わっていると特に問題は出ません。旧型だと夏場はなんかあると思ったほうがいいかもしれません。低単価のエコQ電(レアです)
愛媛県鬼北町の道の駅では、1分あたり20.3円で充電できて出力も125Aというやつがあります。こういうのが全国各地に点在しています。どうやら東京には大量にあるようなんで、そういうのを使うのはいいのかもしれません。私はマップを作って落とし込みました。個人用なので公開予定はありません。
長距離移動に際してネックとなっている方面
愛媛県東予地方を出発する場合のネックになっている移動先が2方面あります。フジの充電器でも例に出した高松・徳島方面です。特に高松方面は伊予三島を過ぎると高松の近くまで行かないとeMPの充電器もなかなかありません。11号線沿いならなくはないものの、普段下道で移動する場合は県道241号・国道377号・国道32号という鉄板コースを通ります。その場合は三島の次が綾川町まで充電器自体がないという…。道の駅とよはまの充電器は20kW(50A)機種で1分55円(ビジター)、44円(電動車両サポート)という極悪料金なので使えません。夏場だと1km走行するのに21円かかってしまいます(ガソリン車だと8km/Lの燃費に相当)。
徳島方面は脇町まで行ければ無料の充電器があるものの空いているのを見たことがありません。三野に50kW(125A)機種ができたので、それを使えるのはよかったですが。
四国外に目を向けると、岡山・米子方面が厳しい反面、尾道・広島方面が比較的楽です。尾道方面は大三島にFLASHができたので楽になりました。鳴門から淡路・神戸方面も比較的選択肢があるほうなので、まあ問題ないでしょう。
次回は12月はじめに9・10・11月編を公開します。11月は超長距離移動をする予定なので、それをまとめるのが大変そうです。
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