3年に1度の参院選が2025年にありました。当選すると6年もの間議員を続けられるだけあって、衆院選よりも重要な国政選挙です。今回、四国地方を中心に候補者を見てきたので、そのレポートです。時系列順にレポートします。なお、本職の選挙ウォッチャーじゃないのでだいぶ雑です。その代わりに本職の方とは違って無料ですべて見られます。もし私が本職ばりの記事を有料で書くようになったら、日本はおしまいです。
7月4日
比例・共産党
共産党・仁比聡平参院議員(今回非改選)が地元で応援演説に来ました。
感想としては共産党フォーマットの素晴らしい演説でした。利点は共産党の方の素晴らしい演説で、難点は大体どこ行っても同じ共産党の演説ってことでしょうか。仁比さんは結構テンプレ的な演説をされていました。
気になったのはやっぱり共産党支持者の高齢化で、私自身も気がかりです。今回の結果はかなり残念でした。
7月5日
愛媛 チームみらい・川端候補
どうもこの候補はほぼ活動しなさそうな予感がしたので無理やり見に行ってきました。演説がたどたどしい上にどうやら活動日が限られているらしく、選挙の体をなしていない感じでした。ポスターがN国候補よりも貼られていないのでした。
それもそのはず、愛媛県民で比較的選挙をウォッチしている私も6月に出馬が決まったニュースを見たくらいなので急に決まってそうです。しかも出馬会見で「北条市長のひ孫」と言って翌日に親族から否定されてしまうという、いわゆるホラッチョをやってしまいました。思い違いをしていたと言っていましたが、その程度のことは普通は確認してから発言したほうがいいだろうと思います。とはいえ急遽立てた案山子がそう大した活動もできないのはしょうがないことで、演説力が低いのも無理もないことです。比例の結果も愛媛では案山子を立てても1.5%程度になりました。
趣味で最新テクノロジーを追っかけてる身としては、チームみらいはいまいち支持しきれず。最大の理由としては、現状は安野氏の私党にすぎず、周りも安野親衛隊みたいな人ばかりで、安野氏抜きの未来が見通せないからです。組織のガバナンス力が良いところは党首が誰でもやっていけますが、ここは無理そうに見えます。加えて安野氏がツイッターで気に入らないアカウントをブロックしまくってる情報も気になってしまいました。
愛媛 自民党・うえの由佳候補
フジグラン松山前で10分間の演説を見ただけですが、意外としっかり演説していたと思われます。自民党的な演説ではありましたが、これだけ話せるなら今後の国政選挙でも比較的戦えるんじゃないかと思います。私は選挙系フリーライター・金城ガンヂさんの配信で長野の自民・藤田ひかる候補の演説を見ましたが、藤田候補には申し訳ないですが上野候補のほうが演説力は高いと感じました。
一方でいわゆる自民党の標準的な政策を語っているせいで、自民党議員の平均値より高く人気を得ることは難しいかもとは思いました。今回は当選せずでしたが、誰か引退する愛媛自民の政治家の後釜になるんでしょうか? 自民党の新人としては良い候補だと思いますので無理せずキャリアを積み重ねていただければと思います。
愛媛 無所属(野党系)・ながえ孝子候補
南海放送でもぎたての司会をやってたツートップの1人(もうひとりは松山市長)。ということでまあ強いでしょう。愛媛県民にしか通じませんがなんたってあの黄金期もぎたての司会者です。銀天街での遊説にも人が次々と寄ってきていました。私が語る内容あるのかと言われるとまあそんなにないです。消費税減税をしきりに主張していました。
愛媛 参政党・原田慎太郎候補
皆が気になる参政党の地方候補ですが、原田候補は参政党の批判がかなり多い部分をオブラートにうまく包みつつ、DIY党としての魅力をうまくアピールしていました。演説力も非常に良いです。何も知らない層ならあの演説でコロっといきそうです。特にマダム層には受けがよさそうですね。好印象だけにやっぱり参政党のヤバい部分の知識を持っていて良かったと実感することになりました。2025西条市議選での八木候補(当選)の演説は原田候補よりもかなり先鋭化した演説していたんですけどね。
別の日に兵庫の参政党候補の演説を中継でたまたま見ていて「下手だな」と感じたものですが、どうやら参政党候補は立候補者でかなりの差があるんじゃないかと感じていて、おそらく愛媛の原田候補は上積みのほうです。全国比例の梅村候補は大阪での演説でわざと対立を煽ったりして性格の悪さを全面に押し出していましたが、正直あれは私が仮に支持者だったとしても微妙でした。
7月10日
徳島・高知 無所属(野党系) 広田一候補
徳島高知はかなり広く、高知西部や徳島南部のスケジュールになった日には行けないので、徳島西部に来たタイミングを狙って見に行きました。最初は私の地元選出の白石よういち衆院議員の応援演説からの本人の演説でした。標準的な良い演説をしていたと思いますし、物価高対策や与党の批判もしっかりできていたという印象です。最近与党批判をしない野党候補をときどき見かけてげんなりするのですが、批判ができるだけでも安心できます。個人的には中村はやと衆院議員が応援演説している日も見てみたかったのですが、この日でも満足でした。
この日は相手の大石宗候補も見ようとは思っていたものの、時間が合わずでした。大石候補、終盤で細野豪志を呼んで「脱民主」アピールをしていましたが、正直それは自民支持層からしても入れない動機になったのでは…。
全国比例 山田ヨシヒコ候補
午後は香川県へ。香川県の候補者6人(実質5人)全員がどうもスケジュールを出したり出さなかったりで、この日は全候補のスケジュールが最終以外わからず。その中で唯一顔を見られたのは国民民主党の全国比例・山田ヨシヒコ候補でした。私の地元に午前中いたのでそっち見ればよかったんじゃないか説もあります。ちなみに共産党の長尾候補の選挙カーは見ました。
暑すぎて疲れてたのもあって、実は演説をそこまで聞かず。証紙ビラをもらって帰りました。
これは候補とは直接関係ないことですが、全国比例の政党候補者は文字通り全国各地を回っており、山田候補の選挙カーがサンポート高松付近で右往左往していた姿を見て、土地勘も薄い中で大変だろうと感じました。しかも今回の参院選はとにかく暑い。これを17日間やりつづけるのは骨が折れるものの、当選さえすれば6年間任期があるだけに正直良いのかどうかは判別できません。
山田候補は比例最終の枠(7人目)でギリギリ当選しました。
香川県選挙区のポスターです。
7月13日
愛媛県議補選が地元で行われて有権者だったので投票もしました。結果としては妥当かなという思いです。ただ社民党の県議の代わりが国民民主党の県議になったのが残念です。
11944 神野きょうた
7813 白川誉
9094 加藤みずほ
7月14日
たまたまいたらしい自民党全国比例の東野ひでき候補の選挙カーの声が聞こえてきました。どうも名寄(北海道・道北)の農業系の候補らしく、「あんなところの人が四国まで」と驚きましたが、全国比例候補の大変さを感じた次第です。いくら最適な交通手段を使ったとしても連日の全国大行脚は大変です。私は名寄に行った(通過した?)ことはありますが、旭川からでもだいぶ走った記憶があります。
東野候補は比例で見事当選しました。
7月19日
最終日なのでいろいろ見てきましたが…。
三好市長選&市議補選
ポスターを見て分かる通り、「えぇ…」と感じてしまいました。選挙公報もないみたいです。市議補選も行われていました。
11206 高井美穂(現職)
581 喜志久
4273 吉井あや
7231 細田ひろし
南国市長選&市議補選
こっちは市長選が無投票、市議補選が定数1に対して2人の争いです。
参政党・金城みきひろ候補
神谷宗幣みたいな話し方で神谷宗幣みたいな話をしていたという印象です。「ねっ!」こそないものの、神谷宗幣でした。いや、どちらかと言えば神奈川の初鹿野候補みたいな感じかもしれません。演説を見に来た一般人はいなくて人気がありませんでした。徳島高知の結果は参政党が3番手でした。
徳島・高知選挙区のポスターです。
見なかったいろんな政党と候補
なにぶん田舎住みなもので、見る機会自体が少なく、また時間が合わなくて見れないとかも多くありました。この地域は一応進次郎から石破茂、さらには高市早苗までやってきてはいましたし、れいわの山本代表も最終日に松山入りしてたりしました。
維新
社会保険料削減は筋が悪すぎるんですよね。個人的には金がないから任意保険を解約するくらいの愚行に見えます。だからこそごく一部の人にしか刺さらず埋没したのでしょう。ただ近畿では相変わらずの維新人気でしたが、近畿ですらだいぶ厳しそうに見えます。
れいわ
参政党に食われて埋もれたなというのが第一印象です。なんでれいわ支持者が参政党に行くのかと一瞬思ったものの「そりゃいくか」という結論になりました。
石丸伸二
終わったなといろいろ見てて感じます。
公明
原田大二郎候補が愛媛にある四国がんセンターの医師だったこと、そして何よりも重要なのは新型コロナウイルス後遺症に圧倒的に理解があり、今や後遺症の第一人者となっている平畑先生とツーツーなことが魅力です。コロナ後遺症は未だに恐怖で、この点に理解があるだけで唯一無二なので当選してなによりホッとしています。ただ堀江人脈と絡むのだけはやめていただきたい。
立憲民主党
吉川さおりさんが徳島の方なので一回見に行きたかったものの、日程が合わずでした。無事当選してよかったと思っています。
国民民主党
四国といえば玉木代表の本拠地でもあり、香川県さぬき市には山のようにポスターを貼り付けています。原田さんの演説を見たいと思いつついけませんでした。まあ香川は全然見れてないので次の課題ですね。ちなみに、もし私が香川県民だったら原田さんには入れていません。
有象無象の排外主義
排外主義は国を滅ぼします。健全な議論はこれらを許容しないことから始まります。であることから、名前を出すのも嫌なくらいこれらの政党についてはシャットアウトするつもりです。選挙取材で有名なライターで、誰よりも中立な立場をとる畠山理仁さんが今回の選挙で排外主義について全否定していることから見ても、この排外主義の流れは絶対に止めないといけないことが理解できるのではないでしょうか。
社民党
ギリギリで1議席&政党要件確保していましたが、ここが一番排外主義と戦えていた印象なので個人的には嬉しい結果です。今回、私は「排外主義とゴリゴリに戦う」政党&候補を応援していました。なので大椿さんに比例入れたのですが、大椿さん自身の落選こそ悲しいものの、社民党が残ってその点では嬉しいです。
全体的な感想
愛媛県在住で暑い中いろんな候補を見れたのはよかったかと思います。愛媛県選挙区で5人中2人が県内の活動をほぼ行っていなかったのが残念ではありました。その点で見ると3人は活動しただけ偉い!となってしまいますが、そんな物差しで評価するのもどうかと思います。
選挙の結果は個人的にいまいち納得できないものの、「ワーストではない」結果でもあるので、ぼちぼち通常通りの生活を進めていきます。そして地方の選挙をとにかく見ることが大切と感じ、もうちょっと力を入れるつもりです。オレンジ色の身なりをした排外主義者は、この3年間地方の選挙でこつこつ議員を増やしていきました。私もそれはいろんなところで見ています。それを知らない人が多かったように見受けられます。
やべーやつは地方の一番難易度の低そうな市区町村議会選挙から階段を登っていきます。参院選同日選挙の奈良市議選で迷惑系Youtuberが議員になりました。兵庫県の問題でさんざん騒がせている姫路市議だって下から3番目で当選して市議になっているのです。立花孝志だってスタートは船橋市議で、次に葛飾の区議になってからのあれだったのです。石丸伸二は安芸高田という広島県北の鄙びた田舎で市長をやってモンスターになりました。
地方の選挙をもっと多くの人が見ていくことが地道で大切なことなのだと思うので、もうちょっとそういう人が増えてくれればと思います。とはいえ私もあまりきちんと見れてはいないのですが。
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