2015年8月19日水曜日

仙台~八戸  東北道 VS 三陸道など  三陸道・北三陸縦貫道・八戸久慈道が全線開通したら、どちらのほうが早く、安く着くようになるのか?

2015年現在、仙台市から八戸市まで、海沿いに高速道路を整備中です。
震災復興道路として2020年度前後に全線開通させる勢いで工事が進んでいます。

(ちなみに2015年現在は、まだ3~4割程度しか開通していません)


高速道路整備を見込んで、室蘭から宮古までのフェリーも登場します。
(2018年就航予定)



この高速道路、他の大規模高速道路計画とは違う利点があります。

無料

であることです。(正確に言えば成瀬奥松島よりも東京寄りは有料ですが)

「数百キロにわたって無料の高速道路」
としては日本唯一の存在となります。(全線開通時)

弱点もあります。
ほぼ全線片側1車線対面通行であることです。
(石巻市の桃生豊里ICから北側は全線片側1車線
仙台港北~河北までは2016年に、河北~桃生豊里は2017年に全線4車線化予定)
片側2車線の東北道・八戸道と比較すると、巡航速度は低くなるでしょう。

しかし、その弱点を打ち消す 「無料」 という響きは素晴らしいです。


今回は、仙台から八戸までの距離を比較してみることにします。
どちらのほうがいいかは、距離を調べてみないとわかりませんからね。






画像にしてみるとこんな感じです。


仙台~八戸
東北道・八戸道経由であれば295km
三陸道など経由であれば364km

かなり差がついてしまいました。

ちなみに
東北道を経由して、八戸ICで降りた場合は298キロ 
三陸道を経由して、八戸南ICで降りた場合は356キロ 

です。

調べてはないのですが、仙台~久慈・野田へも東北道(九戸IC経由)のほうが
距離は短くなりそうな気がします。


ここまで距離の差がついてしまった理由ですが、
地図を見れば一発でわかります。
三陸沿岸のルート(主に南側)は、各自治体中心部にアクセスしやすくするためにかなり曲がりくねっています。直線的に作れません。
三陸は日本有数のリアス式海岸の地形です。

2011年の地震では、宮古市よりも南側は沈降しました。
逆に、宮古市よりも北側は隆起しました。
巨大地震が繰り返された結果、宮古市を境にして三陸南部と北部で全く違う景色が広がっています。

実際に運転してみればわかりますが、宮古市から南側は典型的なリアス式海岸が女川まで続いています。逆に北側は断崖絶壁しかありません。

断崖絶壁が続く北三陸では、トンネルや橋脚を作りまくれば比較的直線的に進めます。
一方で、リアス式海岸の続く南三陸では、街と街を繋ぐとどうしても曲がりくねってしまいます。

東北道の場合は北上川沿いに沿ってなだらかな盆地沿いを進みます。
地形的な制約がないため、比較的直線的に進むことができます。
八戸道はかなり曲がりくねってますが、安代JCTくらいから八戸へだと曲がりくねっていてもそんなには遠回りにならないです。

この2つのルートの違いが、70kmの距離の差となってしまいました。

ちなみに、仙台側の出発地を東北道経由の場合でも仙台東とした場合も、そんなに距離差は変わりません。
21km 仙台東~富谷JCT
17km 仙台宮城~富谷JCT
もっとも、仙台市街にアクセスするには仙台宮城のほうが便利ですが…
(仙台東から仙台市街までは信号によく捕まりますよね)






距離の差はわかりましたが、料金はどれだけ差がつくのか
東北道経由の場合は、仙台宮城~八戸IC
三陸道経由の場合は、仙台東~八戸南ICで調査してみました。

結果はこちら
東北道経由  6,650円(仙台~八戸)
三陸道経由  1,080円(仙台~成瀬奥松島)

なんと、5,570円の差がつきました。
三陸道経由の場合、仙台~成瀬奥松島を下道走行で節約すれば0円です。
かなりの大差ですね。



ほぼ片側1車線の高速を360キロも走行しないといけない三陸道、
片側2車線で距離も300キロほどではあるものの高額な東北道

どちらを使うか悩みどころですね。

ただ、冬季は凍結しにくい三陸道経由のほうが安全な気はします。
凍結しにくいとはいっても高架だらけでしょうから三陸道も安全とはいいがたいですが…

ここまで比較してみて、結局判断に迷う結果となりました。
まあまだまだ開通は先の話ですが…
全線開通する2020年ぐらいが楽しみですね。


東京~仙台、東北道と常磐道で比較する場合は、以下の記事をご覧ください。

東京~仙台  東北道経由と常磐道経由  常磐道が全線開通したらどちらが早く安くなるのか?http://rcp193.blogspot.jp/2015/05/2015gw.html

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