2015年9月27日日曜日

4Kハンディカム 「FDR-AX100」を1年間使ってみた感想  4Kビデオカメラのメリットもデメリットも見えてきた

2014年3月に発売された、世界初の家庭用本格4Kカメラ「FDR-AX100」

この機種の画質の凄さに惹かれて購入したのは2014年10月でした。

それから1年経ち、使ってみてわかったことも不便なことも多くありますので、
それを少し書いてみます。


・画質は普通の人であれば満足できる凄いレベル

予想外に画質が良かったです。デジカメで撮影した静止画のレベルのものが
動画として連続して動いているんだから当然ですが。
このような仕様のため、動画から静止画を抜き出しても普通に静止画として通用します。


(パナソニックの4Kカメラの画質はソニーのものよりもさらにすごいらしいですが、
6分以上連続で撮影するとファイルが強制分割される致命的な仕様が残っているので
お勧めしません)


・4Kディスプレイでなくても綺麗

4Kディスプレイが必要と思われがちですが、フルHDでも画質差がはっきりわかります。
お金に余裕のない方は後から4Kディスプレイを買うと良いでしょう。
(4Kを導入したらお金に余裕がなくなります。詳しくは後述します)



・カメラ買うときもカメラ買ったあともお金がかかる

ソニーのハンディカムは60Mbpsという高ビットレートで撮影できます。
(100Mbpsでも撮影できますが)
60Mbpsというのは64GBのSDカードでわずか2時間15分しか撮影できません。
100Mbpsだと64GBのSDカードに1時間20分しか入りません。

(しかも安物メモリーカードでは速度不足のため100Mbpsで撮影できない)


つまり、こういうことです。
 ・SDカードは64GBではあまり役に立たない、128GB以上でなおかつ高速タイプが必要
 (トランセンドの4K撮影対応128GBが1万円、256GBが2.3万円くらいです)

トランセンドの4K対応が128GBで1万円なのに対し、
スーパータレントの256GBは1万円と割安に見えますが、
100Mbpsで撮影できるかどうかわかりません。
(60Mbpsであれば問題なく撮影できるでしょう)





 ・128GBがいっぱいになるまで撮影を連続したら、HDDもあっという間に埋まる
 (HDDは1TBあたり3000~4000円が主流です。つまり128GB撮影すると400円分です)

下手に長時間撮影を連続しようものなら、8TBのHDDがあっというまに埋まるわけです。




もちろん記憶媒体だけではありません。
4Kをパソコン上で難なく再生できるパソコンが必要です。自作PCができる方は難なく拡張できると思いますが、自作とか知らないという方は高価なPCが別途必要となってしまいます。

FDR-AX100カメラ本体は20万円ですが、買った後も20万円くらいが必要となります。
過去に何回かそのようなことを記事にしているのですが、
4Kは本当に金食い虫なので何回でも書きます。

フルHDと比べると負担がかなり大きいので購入を検討している方は気を付けてください。
なお、GoProで4Kを撮影したり、ソニーの廉価4Kカメラで4Kを撮影する場合も同様です。
ビットレートが高いために記憶媒体にとんでもない金がかかります。覚悟してください。


・(FDR-AX100固有の問題) 本体からHDDにデータを直接移すのに時間がかかる

本体を起動させHDDを繋ぐと、SDカードに入っているデータをHDDに直接移せます。
しかし、転送速度はUSB2.0 なので、かなり時間がかかります。
後継機種では改善されると思われますが、
この仕様はその日撮影したデータをHDDに移すのに時間がかかりすぎて参った点でした。

解決策はあります。HDDなんか使わずSDカードを1~2TB分くらい用意すれば良いのです。
ただし、1TB分のSDカードを購入するのに最低4~5万円はかかりますので充分ご注意ください。

・大きいし重い

持ち運びできるものの大きいです。1インチセンサーに見合うだけのレンズを入れているのだから当たり前ではあるのですが。
このカメラ単体で1kgくらいあるので頻繁に持ち運ぶ方は気を付けてください。

もっとも、プロカメラマンとかは数キロのカメラでも軽量扱いですので、そういう人からすれば
この機種が重いと言っていたら笑われてしまうかもしれません。


・コンニャク現象がある

これはあるという次元は通り越して「酷い」のレベルなので、気になる方はフルHDで撮影してください。
コンニャクだけでなく、オートフォーカスももたつきます。4K出始めの機種なのでしょうがないです。



・なんだかんだ文句は言っているものの、トータルでは大満足である

出始めでこれだけの性能があって文句を言うほうがおかしいです。つまり大満足です。
お金はかかりますが購入して良かったと思っています。



ここからは
「これから4Kカメラを買う人へ、何を買えばよいか」


・パナソニックはやめよう
ファイル分割は思いのほか購入者にとってはストレスになっているようです。
そりゃそうだ、1時間撮影したらファイルが10個に分割されていちいちつながないといけないんだから。
画質はソニーより綺麗らしいですが、ファイル強制分割仕様が改善されない限り選択肢から外したほうが良いです。


・センサーは1インチ以上で
1/2.3のセンサーが搭載された4Kカメラを買って4Kで撮影してもフルHDで撮影しても出てくる画像は大差なしですから、4K撮影目的で小さいセンサーのカメラを購入するのはやめたほうがいいです。
フルHDで撮影する目的なら良いと思います。

Youtubeなどに上がっている4K動画がフルHDの動画と比べて綺麗ですが、
単にビットレートに雲泥の差があるだけなので単純比較できません。
(たとえば、YoutubeにアップされたGoProの4K動画はフルHDと比べて綺麗ですが、ビットレートがYoutubeだと4K→35Mbps、フルHD→8Mbpsなので、単純比較はできません)


・デジカメで4K撮影する場合、時間制限に注意する
ソニーのデジカメ、サイバーショットRX100M4という機種では4K撮影できますが、
連続撮影「5分」です。RX10M2も30分制限があります。



・FDR-AX100を今更購入するのは得策ではない
おそらく2016年1月にも後継製品が登場するでしょう。今更この機種を買っても手遅れです。
あと3ヵ月待ったほうがいいでしょう。


・60pでお手頃な4Kカメラはまだ当分出ない
今年10月に発売されるα7SIIでも30pですし、他のカメラみても30pがメインなので、
60pで撮影できる4Kカメラが出てくるのはまだまだ先の話ではないかと思われます。
60pで撮影したい場合はフルHDで我慢してください。


ここまで読んだ方は、選択肢がほとんどないことがわかると思います。

ソニーの1インチ以上のセンサーを搭載したカメラのいずれか
(ただしFDR-AX100を今更買う必要はない)

が良いということです。(パナソニック否定したら必然的にソニーしかなくなる)

購入を検討される方は参考にしてください。

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