2015年1月11日日曜日

スカイマーク経営悪化やLCCの現状から見える、日本国内線で使用する旅客機の適正座席数  B737-800やA320(168~180席)では大きすぎるのか

(道路と違って航空はあんまり詳しくないんで真に受けないように)

スカイマークやLCCなどが安売りをして飛行機を飛ばす時代が到来しました。
ところが、LCCは約180席を埋めるのにかなり苦労しています。
スカイマークは羽田路線を飛ばせるため、需要の多い福岡線や新千歳線で荒稼ぎできましたが、
エアバスのA330(271席)では供給過剰になってしまいました。
余剰のB737-800で地方路線を成り立たせようと画策してきましたが、
羽田路線以外ではB737-800機(以降B738)を使って成り立たせるのは困難なようです。
結局、スカイマークは潰れかけの状況になってしまいました。
(A380のキャンセルが原因ではなく、A330の導入による供給過剰が原因です)
(追記:民事再生法適用申請をしたようです)


ANAやJALなどの大手航空会社では、搭乗率が低くても路線が成り立つように、
表向きではかなり高額の運賃を要求しています。
ピーク時期とそれ以外での需要の差がありすぎるためです。
平日ならツアーなどを利用すれば直前に購入しても安くなりますが、
ビジネス利用もしくは金を持っていてなおかつ暇な人しか乗らず
普通の人は仕事もしくは年末年始・GW・盆でしか乗ることはありません。
(日本人は忙しいので平日に休んで旅行なんてしません)

結果的に、日本では飛行機は「高い金を出して乗るか仕事でやむなく乗る乗り物」
というイメージを2010年代になった今も引きずることとなりました。
世界では、LCCが発達していて大手航空会社がピンチになっていますが
日本では、まだまだ健在です。


日本のLCCは、世界で最も遅れて2012年に運行が開始されましたが、
Peachが人件費を安くしてなんとか黒字を達成している以外は
かなり厳しい状況が続いています。
背景にあるのが、平日の旅客単価が安く、座席を埋めることも難しいということです。
休日であれば、ANAやJALなどよりは安いが割と高めの運賃を提示することができますが、
平日はANAやJALですら安売りしてしまうため、LCCだと成り立たないのです。


世界のLCCでは、A320やB738をメインに使っていますが、(もっともコストパフォーマンスが良い)
日本でLCCを始める場合、この2機種でも大きすぎるという現状が見て取れます。

年末年始、GW、お盆の時期ならスカイマークの導入しているA330で
かなり高い運賃を提示しても座席が埋まるが
それ以外は安売りしてもA320でも8割程度埋めるのが困難です。
東京や関西発着の割とメジャーな路線でもこうなので、地方路線は成り立ちません。
2013年1月下旬に乗った長崎~関西は1000円でセールしてた路線なので座席が埋まってました。
2014年1月下旬に乗った成田~高松は金曜午後でもガラガラでした。(5000円で取った)


B738やA320では厳しいと思われるなら、一回り小さい飛行機を使えばよいのでは
と単純に考えることができますが、LCCは機材統一が経営の重要なカギとなるため、
既存のLCCが複数の機材を使うのは自殺行為です。
スカイマークの経営状況が危ない理由の一つに、異なる2機種以上を採用してしまったため、
整備費などの固定費が増大してしまったというところにあります。
アメリカのLCC、サウスウエスト航空は、B737シリーズだけを何百機も導入して、
コストの削減と安定性の向上に努めています。
他のメジャーなLCCも同様の方針です。
マレーシアのLCC、エアアジアでは長距離国際線のみA330などを採用していますが
フライト時間の短い路線では100機以上すべてA320で統一されています。

私が今後期待するのは、詰め込み仕様で180席のB738やA320よりも
一回り小さい機材を利用した新しいLCCの登場です。
70~100席程度ならどうにかなるのでは?
ならなければ国内線メインのLCCを運行すること自体が厳しいのでは?と考えています。

もっとも、そのような航空会社は運行開始前に潰れてしまった前例があるのですが…

ただ、フジドリームエアラインズ(FDA)が、運賃は割と高額ながらも
70~80席前後のエンブラエルのE-Jet(E170、E175)を使って、
小牧を拠点にして堅実に経営していますので、
E-Jetなどを使ったLCCも将来的には出てくるのかもしれません。
ちなみに、三菱航空機の製造する(一応)国産旅客機「MRJ」も78席もしくは92席仕様です。
E-Jet、MRJ、ATR-72などありますが、A320、B737との併用をするのは難しいのが難点です。


もう一つ、小さな飛行機を採用する手段があります。
座席数が少ない種類のA320シリーズやB737シリーズを使うことです。
国内でLCCなどが使っているのはA320(166~180席)やB737-800(168~180席)ですが、
B737-700(149席)やA319(134~156席)、A318(117~132席)
を利用することで、A320やB738との同時利用してもコストが抑えられます。
サウスウエスト航空もメインに使っているのは実はB737-700です。
たぶん既存のLCCのどこかが、この手の方向性にシフトしそうな気がしています。


本当はA320やB738で国内LCCがまともに成り立つようになるのが一番いいんですけどねえ…
(まあ無理でしょう)

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