2015年12月1日火曜日

新型・4代目プリウスが思いのほか売れていない理由

新型プリウス、発売前に5万台受注 というニュースを見て驚いたのですが、

新型「プリウス」、国内受注5万台 トヨタhttp://www.nikkei.com/article/DGXLZO94554770Q5A131C1TJC000/


実は裏事情的なものを探し当ててみると毎月3万台を売るつもりだったようで、発売前の段階で5万台はかなり低調であるという事実が掘り起こせました。
その事実に驚きましたが売れないと聞いていろいろ調べてみたら売れないのもよくわかりました。

(新型プリウスの画像はない)

さて、4代目プリウスが思いのほか低調である理由とは何なんでしょうか?





最大の理由はこれです。

・高い

今売られている3代目プリウス
カーセンサーのカタログを見ると、223万円からというのがわかります。
http://www.carsensor.net/catalog/toyota/prius/F003/

3代目プリウス


新型は242.9万円から。

20万円の差が出るというのはかなり勝負かけた感ありですね。

しかもこれは本体価格だけで考えた場合です。
プリウス3代目は現在値引きしまくって売っているものと想像できます。
(モデルチェンジ直前の時期になると、旧型車はかなり安く買える)
一方、まだ登場してすらいない新型は値引き0でしょう。

実際には20万どころか40万円くらいの価格差がついているはずです。


もっとも、3代目プリウスを買う人で223万円のグレードを選ぶ人はほとんどおらず最低でも239万円のグレード「S」を選ぶはずですが、239万円から数十万円値引きされたプリウスと、新型の243万円のプリウスのどっちを買うかと考えたら、3代目を選ぶ人が多いでしょう。
(新型プリウスの「S」グレードは248万円なので、本体価格だけを考えると10万円の差が出ます)

プリウスというのは何代目であってもプリウスなので、そこまで型落ちであることに拘る必要のない車ですし、買い替える必要もありません。(むしろプリウスを数年で乗り捨てて新しいプリウスに買い替える人はどうかしてると思う)


前回の大ヒットは90年代のセダンに乗っていた人が25万円のエコカー補助金目当てにこぞって買い替えたのがかなり効いています。その人たちは2020年代までは乗るでしょうから買い替えることはありません。

また、買い替えを検討している場合でも(実質200万円弱で手に入った)プリウスから250万円のプリウスに買い替えようと考える人はいません。割高感が半端ない。




つまり

4代目プリウスのライバルは3代目プリウスである

というのがここまで読んでみるとわかるかと思います。


3代目プリウスは新車だけが脅威ではありません。
2009年から2015年にかけて国内だけでも100万台以上を売り出したわけですから、(売った人はどうかしてるとは思うが)中古車も山ほど並んでいます。
中古車もライバルになり得るのです。新車じゃないと嫌って人はともかく、中古でもいい人はこのプリウスがこれからお買い得になるだろうから買われるでしょう。




私見ですが、新型プリウスはもうちょっと安く値付けしていおいたほうが良かったと思います。
242万円からというのを見てまず感じたのは「高っ」ですからね。

高いと思っている人を「アクア」に誘導する狙いもあるのかもしれません。
ただこの4代目プリウスが予約してまでほしい、魅力的とはどうしても思えないわけで…



レンタカーで3代目プリウスを借りたら30.5km/Lという燃費が出た
正直そんなに燃費を意識した運転はしてなかったのですが…



伝説の初代プリウスでも27km/Lは出た



最大の魅力である燃費という点で見ると、プリウスは3代目の時点でも30.5km/Lを軽々と出せるだけの実力はあるわけですから、4代目に拘る必要というのはそこまでは感じられません。
(この燃費領域になると、30→40になったところで大した燃料費削減効果はない)

あとどうせプリウスなので、目新しさはすぐになくなります。

4代目だけのもので、唯一魅力と言えるのは4WD版ですが
絶対4WDじゃないといけない雪国の人口なんてたかが知れてるので売上にはそこまで大きく貢献しないでしょう。北海道でも普通に3代目プリウス山ほどいますしね。


一方で、3代目プリウスは新型登場でお値打ち価格で出ます。増税後の反動時期(2017年6月以降)がねらい目です。3代目プリウスへの買い替えを検討している方はそれまで待ったほうがよいでしょうし、4代目プリウス購入検討者もここまで待てば今より安く手に入るに違いありません。




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